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猫のエサやりが生んだ「中日メモリレー」 新型コロナ下の温かい人情

2022年 3月 15日17:56 提供:東方網

  このほど、上海テレビ記者の李姫芸がVlogで、ある日本人が帰国する時に、コミュニティのメモの下に猫を養って欲しいと書き残してゆき、隣近所のメモリレーが続いているという物語を紹介して話題になった。東方網の記者は、李記者を通じてこの日本人·永田功さんと連絡を取った。

  玉蘭花苑コミュニティに残されたメモのリレー(李姫芸さん提供)

  記者が連絡を取った3月6日、永田さんは日本の東京に戻っていた。帰国する日の午前中、永田さんは猫に別れを言いに行ったが会えなかったので、エサとメモを残してそのまま空港に向かったという。「帰国した後で、上海の友人がメモの下にいろいろなメモがリレーされていると教えてくれました。『猫の事は心配しないでください』といった内容が書いてあったり、可愛がってくれている人たちがいることを知り、私の気持ちが通じてとても嬉しく思いました」と、永田さんは述べた。

  猫との縁は2018年の「出会い」から

  猫との縁を尋ねると、永田さんはやや高ぶった様子でこう述べた。「2018年頃から私の部屋のベランダ下に猫が来るようになり、エサを投げ与えるようになりました。その猫は今回の猫とは違う猫ですが、その猫に会うために玉蘭花苑コミュニティに行き、エサをあげました。するとまた、今の2匹の猫に会ったんです。黒猫と三毛猫です。最初に出会った猫は2021年の3月に突然いなくなってしまいました。黒猫は1年半、三毛猫は4年ほどの付き合いです」。

  永田功さんと黒猫(永田さん提供)

  野良猫の寿命は短い。だが帰国しなければならず、帰国した後も2匹の猫がちゃんとご飯を食べ、長生きしてもらいたいとの思いから、コミュニティの人にメッセージを残した。永田さんは、自分の書いたメモを見て優しい人が猫たちの面倒を見てくれるといいなと思ったそうだ。

  猫と同時期に手術したことでより親近感が増す

  昨年8月、永田さんに肺癌が見つかった。当時、日本はコロナ感染がひどかったので、感染リスクを考えて安全な中国で手術を受けることにした。「今回、癌手術という人生で一番辛く、不安な時期を上海で一人で過ごしました。ただ同僚をはじめ、多くの中国人の方々に助けていただきました」。

  玉蘭花苑コミュニティにいる猫(李姫芸さん提供)

  永田さんは感染リスクと身体の負担を考え、そのまま中国で生活することにした。しかし、心細くて落ち込む期間が長かった。退院後はリハビリも兼ねて毎日猫たちに会いに行くことを楽しみに過ごす日が続いた。

  「私が手術したと同じころ、猫たちも去勢手術を受けました。これは李さんの記事に書いているMIAO姐さんが連れて行ってくれたようです。昨年9月、MIAO姐さんが黒猫など3匹を手術したというメモを残していたので、同僚にお願いしてMIAO姐さんに猫たちの状況を聞いてもらいました。私も猫も同じ時期に手術を受けて辛い思いをしたので、一層親近感が湧きました」。

  早く健康を回復して猫とまた会いたい

  「李さんの報道で、私の健康回復を願うメモがたくさん残されていることを知って、とてもうれしく思いました。以前から妻は、『中国の人はとても動物に優しいし、親切だ』と私に話していたのです。この話を自分自身が体験しました。体調が回復して上海に戻れたら、猫が縁で知り合うことができた皆さんにお会いしてお礼を言いたいです。それに、今までは一人でエサをあげていましたが、これからは皆さんと一緒に猫を可愛がりたい。皆さんとても人情に厚く優しい人たちだと身に染みて感じましたた。言葉では言い尽くせないほど感謝しています」と述べた。

  メモをリレーするコミュニティの人々(李姫芸さん提供)

  永田功さんは今年51歳で、中日国交正常化の1年前に生まれた。10年ほど前までは中国を訪れたこともなく、中国と言えば本で読んだ三国志や魯迅といった文学や、日本のテレビで見る中国しか知らなかった。今、中国に数年住んでみて、市内は緑や花に溢れ、人はみなとても親切で温情に溢れていることを実感した。街も最先端にハイテク化していて、外国人にもとても住みやすいと感じている。

  「私は中国と日本でシステムや翻訳によるコンテンツ、サービスを提供する仕事に関わっています。コロナが収まらない状況ですが、両国の良さを知っている一人として、様々な方法で情報を発信し、交流のきっかけを作りたいです。日本語に雲外蒼天(云外苍天)という言葉がありますが、この言葉のように、コロナ禍を乗り越えれば必ず明るい未来待っていると信じています。中国加油!上海加油!」。

  そして永田さんは最後に、猫たちが自分の事を忘れてしまう前に上海に戻れるよう、しっかり体調を回復させたいと話した。

  (曹俊)