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「洪荒之力」を日本語に訳すれば

2016年 8月 17日9:29 提供:東方ネット 編集者:兪静斐

 最近中国では多くの人に『五輪アスリートの清流界に現れた「土石流」』と言われた傅園慧選手が注目された。特に彼女が言い出した「洪荒之力」という言葉が文字の達人のハッピー事情になった。中国国家地震局が「洪荒之力」に関する権威づける中国語の解釈を発表したほか、日本語が知っている人々もネットでこの言葉について自分の考えを伝えてきた。

 まず、人民網日本版のニュースを見てみよう。

 五輪でも「ネットアイドル」が誕生

 リオ五輪·競泳女子100メートル背泳ぎ準決勝のインタビューで、傅選手が一躍大人気になる「事件」は起きた。「58秒95?59秒かと思った!私そんなに速かったの?大満足!」と、五輪初出場で決勝に進んだ傅選手はカメラの前で、自身の成績に大満足であることを語ると、さまざまな表情を次々と披露。記者からの「(準決勝には)余裕があったのでは?」との質問には「余裕なんてない。もう十分に、目いっぱい出し尽くしました!」とあっさり断言。さらに、「明日の決勝に期待することは?」という質問にも「何もない!もう大満足!」と答え、取材していた記者たちを唖然とさせていた。

 人民日報の編集者さん、お疲れ様!五輪のような大きなイベントがどれほど脳汁を絞って苦労したのかある程度想像できるが、傅爺(傅園慧選手が「傅爺」とあだ名がつけられた)の名言ともいえる『我已经使出了洪荒之力了』を『もう十分に、目いっぱい出し尽くしました!』に訳されたのはちょっと迫力が不十分なような気がする。

 次に、上海の東方網日本語版を見てみよう。

 選手:58秒95ですか?59秒だと思いました。……そんなに速かったんだ!とっても満足です!……力の温存なんてしていません。ありったけの力を出しましたよ。

 東方網の編集者さんが勤勉にいちいち翻訳された。でも、味わうに値する訳語とはなかなか言えないだろう。

 なんと悔しい。それなら、日本の有名なウェブサイトで探そう。しかし結局「朝日新聞」、「読売新聞」、「毎日新聞」、「産経新聞」などいずれも報道されていない。やっぱりこのごろの国民感情が下降傾向だと思う。

 それにしても、数件の記事が発見された。

 「Sputni日本」には『傅園慧選手は記録が59秒だと思っていたが、実際には58.95秒だったと記者が選手に告げた。すると選手は全身で喜びを表しながら「本当にそんなに早かった?大満足!全部の運を使い切っちゃったわ」』と述べた。この1件だけが印象的だ。

 でも、「洪荒之力」を「全部の運」と訳したのはちょっとずれがあると思う。仕方がない。中国のウィチャットに頼もう。すると、日本で仕事をしているある友人によると日本の選手がインタビューを受ける時よく「力を出し切りました」と言われた。もしこのように訳すと意味が分かるが、言葉のユーモアのセンスがなくなったと思う。

 もう一人のベテランジャーナリストは「洪荒」が太古の意味だ。太古の力とは、粒子を動かし変換させ、浄化、調和、調律、調整し、波動を良いものと変化させる力と理解でき、太古の力と翻訳すればいいという意見を出した。そうだと思う。

 そのとたんに、上司とある学者が『盛り上がれ俺のコスモよ』という『聖闘士星矢』のもっとも有名なせりふを一斉に返事してくれた。ああ、ぴったりした感じだ。

 それで目の前にこういう画面が出てきた。

  

  『俺は俺は盛り上がれ、俺のコスモよって頑張ったよ』。大満足!

 (顧瓊娜 上海日本研究交流センター)