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80年代懐かしむ回顧ビジネスが盛行
2011年 11月 27日8:53 / 提供:「人民網日本語版」

 吉林省長春市にこのほど1980年代をテーマにしたレストランが開業した。この店では赤いスカーフ、少年先鋒隊小隊長の「一道杠」腕章、昔のテスト用紙などが使われているほか、トランスフォーマー、ファミリーコンピューター、ゼンマイ仕掛けのおもちゃなど懐かしいものがあちこちに飾られている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

 レストランの経営者・張健さんと妻の王雪さんはどちらも80年代生まれで、同じ年代のお客さんと80年代の思い出を分かち合いたいとしている。

 張さんは「子どもの頃は楽しかった。子ども時代に返れたらと思うときがある。この店を開いた理由に昔を懐かしみたいからというのもある」といい、本棚に飾られたトランスフォーマーを指さして、「この上にあるのはコレクションしていた宝物たち。引っ越しのたびに少しずつ減っていったが、思い出は減らないようにしたい」と話す。

 実際、80年代生まれが昔を懐かしむのは個別の文化的現象ではない。最も早い例としては、70年代末から80年代初め生まれのネット利用者たちが、文学や芸術の形で昔をテーマにした展示を打ち出したケースがある。数年前には70年代生まれのネット新世代の漫画家・阿桂の懐古調の作品が子ども時代にスポットを当てる一大ブームを巻き起こした。

 その後、ネットを通じて子ども時代を熱く語り合う80年代生まれが増えていった。記憶をたどり、資料や作品を紹介し、「玩大的」や「李雷与韓梅梅」などの作品がいずれも話題になった。こうした動きに世の中が反応し、メディアが動き出した。
吉林大学中国文学系の馬大勇副教授は「実際にはどの年代の人も昔を懐かしむが、80年代生まれの懐古趣味は伝統的な意味の懐古趣味とは異なる」と指摘し、80年代生まれは一般的に一人っ子の年代であり、社会モデルが激変したこと、チャンスと圧力が同時に存在したことにより、この年代の人々は常に駆り立てられており、現実の中で昔を懐かしみ、その合間に感情を吐露させるようになるのは一種の必然だと説明する。

 2010年にはドラマ「老男孩」が一斉を風靡し、80年代生まれのバイブルになった。主演の肖央は80年生まれで、才能にあふれるだけでなく、タイアップ広告で新たな市場販売ルートを開拓し、昔の「記憶」を物品販売を通じて温め直す道を開いた。

 北京、上海、広州など多くの都市には80年代のレトログッズを取り扱う店があり、マリンボーダーのシャツ、回力マークの運動靴、ホーローの食器などなんでもそろっている。市場から姿を消して久しいサイダー製品や麦乳粉を新たに製造するところも現れ、昔を懐かしむ人々のニーズに応えている。

 吉林大学商学院の金暁トウ副院長によると、80年代生まれの懐古現象は貴重なビジネスチャンスであり、市場をより大きくし、消費を牽引することが期待される。企業はレトロブームに乗って消費者の心の中にあるものを掘り起こし、より視野の広いアイディアを出し、よりよい製品を発掘して消費者の心のニーズに応えるべきだという。

 *トウ:「さんづくり」に「丹」