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中国人女性が日本で火鍋店を経営、3年間で7000万円を稼ぐ
2011年 11月 27日9:56 / 提供:「人民網日本語版」

 姜凱莉さん(32)は、中国黒竜江省綏化市出身の女性だ。姜さんは2006年5月12日、1年間の訪日ビザを取得し、東京の夫と再会した。就職の壁にいくどもぶつかり、姜さんはレストランの店員になった。勤務期間が長くなると、姜さんは不思議なことに気がついた。さまざまな国籍の太った男性が毎日、太る効果のある鍋を食べに来ており、しかも相当な食欲だったのだ。最近はダイエットがブームなのに、このすでに太っている男性たちは、どうしてもっと太ろうとするのか。姜さんはその後、その太った男性たちが相撲取りであることを知った。相撲には体重制限がなく、試合では重いほうが有利なため、相撲取りを目指す人は無我夢中で太ろうとする。そして鍋は太るための最良の方法なのだ。中国の火鍋はさまざまな味と香りがあり、作り方もバリエーションに富み、日本の鍋より美味しいはずだ。太ることを目的としたレストランを開けば、きっと商売繁盛するに違いない姜さんはそう考えた。撫順新聞網が報じた。

 ◆太る鍋の店を東京でオープン

 ビザが満期になったため、姜さんは帰国しビザを更新することにした。木材の商売をしている父を説得し創業資金を得ることができれば、自分の店を持つことができる。姜さんの父は娘の考えにあまり同意しなかったが、50万元(現在のレートで約600万円)を出し創業を支援することを決めた。

 日本に戻ると、姜さんは東京千代田区秋葉原で180平方メートルの店を借り、内装を終えると、中国人調理師2人と中国人女性店員6人を雇った。2007年11月1日、姜さんの店がオープンした。また、オープンから3日間、相撲取りが無料試食できるキャンペーンを実施した。オープン当日、多くの相撲取りが試食に訪れ、日本の鍋より美味しいと感じた。姜さんはこれに気を良くし、自信を深めた。

 しかしそれも長続きせず、3日間の試食キャンペーンが終了するとすぐ、相撲取りが店を訪れなくなった。姜さんの夫は、「レストランなんか開くなと言ったのに、金が無駄になったじゃないか」と苛立ちを隠せなかった。姜さんはその後、日本には相撲部屋というものがあり、毎年全国の小学生の中から有望な人材を選び、全国53の部屋で練習させることを知った。月謝と生活費は無料だという。姜さんはこれに驚き、泣きださんばかりだったが、ふとこう考えた。日本の相撲選手は食費が無料だけど、その他の国から相撲取りを目指しやって来る人もいるはずで、食事は自分で用意しなければならない。これも大きな市場だ。姜さんはそう考えると、始めに雇った店員を解雇し、英語の分かる異なる国籍の店員を雇った。また広告を大量に刷り、店員は毎日の朝と晩に制服を着て縦列を作り、街で広告を配った。さらに日英中の3ヶ国語で書かれた「中国のちゃんこ鍋、美味しさは見ての通り」という看板を掲げた。1ヶ月余りの取り組みを経て、店を訪れる客が増えてきた。その後、姜さんはさらに会員制を実施した。「当店の会員は2割引、1週間毎日異なる味を楽しめます」。その結果、わずか3ヶ月で会員を100名以上獲得。4ヶ月目、店の売上は756万円に達した。支出を除くと、初めて29万円の黒字となった。

◆夫を説得、3年間で7000万円を稼ぐ

 相撲取りは暴飲暴食と睡眠により体重を増やし、一般人の5-6倍の量をとる。食後はすぐに眠り、目覚めると練習を行う。毎日がこれの繰り返しだ。しかしこのような危険な食生活により、相撲取りは心臓病や脳血栓、胃病や肝機能衰退等の疾病にかかりやすく、平均寿命は57歳のみとなっている。

 姜さんはこれらの情報を知ると、相撲取りの体を心配すると同時に、大きなチャンスを見つけた。姜さんは太ることができる上、健康的な鍋を提供しようとしたのだ。姜さんは漢方医が健康な食生活に詳しいことを知っていたため、黒龍江省の漢方医院で働いている知り合いに電話をかけ、健康的に太る方法と十数種の民間処方を教わった。姜さんは宝を手にしたかのように、店を新装開店し、十数種類の「力士薬膳火鍋」を追加した。1週間のみで、店を訪れる相撲取りが薬膳火鍋の効果を知った。食欲が増えるのみならず、以前より元気もつくようになり、店の常連客となった。

 2008年7月25日、日本相撲協会の放駒理事長が阿武松部屋の大嶽親方らを連れ、姜さんを訪問した。彼らは日本の相撲取りのため食事を提供するよう姜さんにオファーし、高額の報酬を約束した。夫の陳東雲さんは、これが日本で安定した収入を得る絶好の機会と感じ、妻を説得しようとしたところ、断られてしまった。姜さんは、今や500人以上の会員を獲得し、お金に困ることはなくなったと考えていた。放駒理事は仕方なく名刺を渡し、よく考えるようにと言い残した。姜さんが日本相撲協会理事の要請を断ったという情報が広まると、無料で広告の効果が出た。すぐに同店の会員数は1000人を超えた。

 相撲取りの体重増加の手助けのみで、姜さんは3年間のうちに7000万円以上を稼いだ。姜さんはホンダの自家用車を購入し、3480万円を払い秋葉原で96.87平方メートルのマンションを購入した。これで陳さんは姜さんに頭が上がらなくなり、家庭教師をやめて店舗経営に乗り出した。

 2011年4月、姜さんは帰国しビザの手続を行った際に、次のように述べた。「日本で店を開いたのは、夫に軽く見られないようにするためでした。まさかこの意地のために、これほど大きな成功を手にするとは思いもしませんでした」。